Front Design × Moooi|実物大動物モチーフの照明・家具シリーズ
スウェーデンのデザインスタジオFrontがMoooiのために開発したAnimal Thingシリーズは、実物大スケールで動物を再現した照明・家具コレクションです。
Horse Lamp、Rabbit Lamp、Pig Tableの3製品で構成され、2000年代初頭の発表以来、現代デザイン史における重要作品として評価されています。
<目次>
1.アニマルシングスシリーズの製品構成
2.ホースランプLED|製品仕様と特徴
3.ラビットランプ|製品仕様と特徴
4.ピッグテーブル|製品仕様と特徴
5.デザインコンセプトと製品背景
6.まとめ
1.アニマルシングスシリーズの製品構成
Animal Thingシリーズは、照明2製品と家具1製品で構成されています。
すべてマットブラック仕上げで、実物大スケールを採用。樹脂系素材による精密な造形が特徴です。
ホースランプLED|Horse Lamp LED
用途:フロアランプ
サイズ:W230×D55×H240cm
重量:44kg
ラビットランプ|Rabbit Lamp
用途:テーブルランプ
サイズ:φ28.5×H54cm
重量:2.0kg
ピッグテーブル|Pig Table
用途:サイドテーブル
サイズ:W163×D42×H78cm、天板φ60×H2cm
重量:25kg
2.ホースランプLED|製品仕様と特徴
ホースランプLEDは、全高240cmの実物大馬型フロアランプです。LED光源により、従来モデルより省エネ性能が向上しています。
主要スペック
材質:シェード=PVC、本体=樹脂
電源:100V 50/60Hz
消費電力:8W
光源:口金E26 LED電球×1(60W相当810lm)
スイッチ:フットスイッチ付き
カラー:マットブラック
設計上の特徴
実物大スケール採用により高い存在感を実現。血管や筋肉のディテールまで精密に造形されています。
LED化により発熱を抑制し、長寿命を実現。漆黒の仕上げが空間に高級感を付与します。
適用空間
エントランスホール、吹き抜けリビング、ギャラリースペースなど、天井高2.5m以上の空間に最適です。
3.ラビットランプ|製品仕様と特徴
ラビットランプは、座った兎の姿を実物大で再現したテーブルランプです。親密な空間での使用に適したコンパクトサイズです。
主要スペック
材質:本体=樹脂、シェード=PVC
電源:100V 50/60Hz
光源:シャンデリア球 E14 25W クリア
スイッチ:中間ON・OFFスイッチ付き
カラー:マットブラック
設計上の特徴
毛並みの質感を精密に再現。コンパクトながら存在感のあるデザインです。柔らかな光の拡散が特徴で、ベッドサイドでの読書灯としても機能的に使用できます。
適用空間
ベッドルーム、書斎、リーディングコーナーなど、パーソナルスペースでの使用に最適です。
4.ピッグテーブル|製品仕様と特徴
ピッグテーブルは、天板を背負った豚の姿を実物大で再現したサイドテーブルです。機能性とユーモアを両立した設計です。
主要スペック
材質:樹脂
天板:φ60cm、厚さ2cm
総重量:25kg
カラー:マットブラック
設計上の特徴
実物大スケールによる高い造形精度が特徴。φ60cmの天板は飲み物や小物の配置に実用的です。
25kgの重量により安定性を確保し、血管や皮膚の質感まで忠実に再現しています。
適用空間
ダイニング、ラウンジスペース、待合スペースなど、会話が生まれる場所での使用に適しています。
5.デザインコンセプトと製品背景
デザイン思想
Frontのデザイン哲学は「デザインプロセスの可視化」にあります。Animal Thingシリーズは、動物が家具化されるプロセスを文字通り具現化した作品です。
実物大という選択により、抽象化を拒否し、動物の存在そのものを空間に持ち込むことに成功しています。
北欧デザイン主流との差異
スウェーデン出身でありながら、Frontは北欧デザインの主流から意図的に距離を置いています。
デンマークの木工家具に代表される職人技の伝統でもなく、低価格を実現する大量生産型デザインでもない。Frontが選んだのは、デザインの概念そのものを問い直す実験的アプローチでした。
機能と形態の関係性
Animal Thingシリーズは、機能から出発するのではなく、「動物が家具になったら」という概念から出発しています。
この姿勢は、1980年代のメンフィスグループが示したモダニズム原則への挑戦と、考え方が重なる部分があります。
ただし、Frontは装飾性よりもプロセスの可視化に重点を置いている点で独自性があります。
動物表現の歴史的文脈
実物大の動物を空間に配置する文化は、狩猟文化のトロフィー(剥製)をはじめ、古代の獅子脚家具やスフィンクス型の椅子など、長い歴史を持ちます。
Animal Thingシリーズは、こうした歴史的な動物表現を意識しながら、現代的な視点で再解釈した作品です。
製造技術
ハイパーリアリスティック造形技術、PVC・樹脂による複合成形、精密な表面処理によるマット質感の実現、大型製品の構造強度確保など、高度な技術が投入されています。
まとめ
VIDEO
Front Design × MoooiのAnimal Thingシリーズは、実物大動物モチーフという大胆なコンセプトを、高度な製造技術により商品化した革新的プロダクトです。
北欧デザインの伝統から距離を置き、機能主義を超えた概念的アプローチを実現。
Horse Lamp LED、Rabbit Lamp、Pig Tableの3製品は、それぞれ異なる空間ニーズに対応しながら、統一された世界観を提供します。
デザインの境界を拡張する実験性と、日常空間での実用性を両立した稀有なコレクションと言えるでしょう。
デザイナープロフィール
Front(フロント)
設立:2003年、ストックホルム
現メンバー:Sofia Lagerkvist(ソフィア・ラーゲルクヴィスト)、Anna Lindgren(アンナ・リンドグレン)
旧メンバー:Charlotte von der Lancken(〜2015年)、Katja Sävström(〜2009年)
デザイン手法:デザインプロセスの物語化、動物・テクノロジー・魔術などを制作に組み込む実験的アプローチ、モーションキャプチャ・3Dプリント等の先端技術の積極的活用、機能と形態の関係性の再定義。
主要クライアント:Moooi、Moroso、Kartell、Established & Sons、Porro、IKEA、Stelton、AXOR、Kvadrat
受賞歴:Designer of the Future|Art Basel Miami Beach(2006年)、Designer of the Year|Elle Deco Sweden / Architektur & Wohnen Germany(2010年)、他多数
コレクション収蔵:Museum of Modern Art(MoMA)New York、Victoria and Albert Museum London、他